外に出よう!
いろいろな人と
交わろう!DESIGN PARTNER 02
JOY倶楽部アトリエブラヴォ/福岡

JOY倶楽部アトリエブラヴォのご紹介

「アトリエブラヴォ」が生まれたのは1993年。障害者のための歯科治療を行っていた医師の緒方克也さんが、アメリカで障害者が描いた絵に出会ったことがきっかけでした。障害があるからこそできるアートの形があるのでは?そしてそれは障害者が社会とつながるための一つの方法になり得るのでは?そう考えた緒方さんが代表となって福祉事業所を立ち上げ、アートを制作する「アトリエブラヴォ」と音楽活動を行う「ミュージックアンサンブル」を始めました。

JOY倶楽部アトリエブラヴォ

絵でつながる

障害者の多くは、特別支援学校を卒業後なかなか働く場所を見つけることができません。そのため緒方さんは、アート活動を通じて社会と関わることから、仕事を生み出そうと考えました。最初は頼まれれば、様々な場所へでかけていって、壁や塀に絵を描きました。屋外で絵を描く姿は、多くの人の目に留まります。「障害者を見せものにしているのではないか?」と非難を受けたこともありましたが、それ以上に、それぞれの能力に合わせて描くメンバーの様子は、障害者と接する機会がなかった人との会話を生みました。「なにを描いているの?」「いい線だね」道行く人との交流で、メンバーのモチベーションもずいぶん上がったそうです。

絵でつながる

こうして始まった「アトリエブラヴォ」の活動は、やがてテレビ番組で取り上げられ、さらにニューヨークでウォールアートペインティングを行うまでに!緒方さんは「たとえ障害があったとしても、チャンスときちんとした支援があれば、可能性が広がるということを実践したかったのです。絵を描くことそのものが目標ではありません。それを手段として、様々な人や地域とつながることが大切なのです」と話します。

ニューヨークでのウォールアートペインティング

お金だけじゃない、
けどお金も大事

コツコツと実績を積み重ねたかいあって、「アトリエブラヴォ」のメンバーは、様々な企業や団体と一緒に仕事をする機会が増えました。「仕事としてのクオリティを上げるために、メンバーとクライアントの間に、私のような営業担当やプロのデザイナーが入るようにしています」と話すのは、職員の小倉尚己さん。

「仕事としてのクオリティを上げるために、メンバーとクライアントの間に、私のような営業担当やプロのデザイナーが入るようにしています」と話す職員の小倉尚己さん

作品には、一枚の絵としてそのままカレンダーやポスターに使えるものだけでなく、一部分を切り取ることによって、デザインの素材として活きるものもあるからです。「例えば、とても色彩が豊かな三谷由芙さんの絵は、絵の一部をピックアップして、4種類のパンのパッケージに使われました。特にこのようなケースでは、 “こうすればよい商品になる”と提案してくれるデザイナーの大胆な発想が欠かせません」と小倉さんは話します。

デザインの素材として活きるものもある

もちろんアーティスト集団の側面を持ちつつ、障害者のくらしをよくすることが活動の一番の根幹。かつて金融業界で働いた経験がある小倉さんは、こちらに転職してきた時、こう感じたそう。「こんなに才能がある人たちが、働く機会に恵まれず、なかなか収入を得ることができないことを知って驚きました。もちろんお金が全てではありませんが、お金も大切です。とはいえ彼らには絵というパワフルな媒体があるので、一度知れば一緒に仕事をしたいと感じてくれる人が増えるにちがいない!と可能性も感じました」。小倉さんは、メンバーそれぞれの個性や特徴を活かして取り組める仕事を開拓しています。そしてたまには、メンバーと一緒にレストランに出かけ、仕事で得たお金でそれぞれが好きなメニューを楽しんむこともあるそうです。

描くのは楽しい、
役立つのも楽しい

「アトリエブラヴォ」の作業場を訪ねました。ちょうどこの日は、福岡市内の商業施設で展示する絵の締切日。提出を済ませてほかの作品に取り掛かっている人、ギリギリまで描き込みを続ける人、様々です。

商業施設で展示する絵の締切日ギリギリまで描き込みを続ける鈴木靖葉さん

鈴木靖葉さんは、過去に温泉旅館の壁に絵を描いた時の経験をこう話します。「何人かのメンバーで描くので、お互いに確認をしながら描くのは大変だけど楽しいです。話しかけられやすいメンバーもいますが、私はふだんはあまり人から話しかけられにくいタイプです。けれどその時は、温泉旅館の方から“すごくよく描けているね”と話しかけられて、達成感がありました」。

小林泰弘さんは、節分にむけて鬼の絵を制作中

独特の色使いが魅力的な小林泰弘さんは、節分にむけて鬼の絵を制作中。もし採用されれば、12万人以上の読者がいる冊子の表紙になる予定(※2020年に採用済み)です。「障害者の絵だからということではなく、いい絵だから選ばれるというのがいいし、お金がもらえる”仕事”として絵を描いている」とのこと。

みんな口々に「締切が大変だ」と言いながらも、集中して絵に取り組んでいます。さらにその絵が、社会のどこかで使われることに喜びを感じている様子が伝わってきました。

〈まなび〉クオリティアップのために
プロの営業やデザイナーとの協業にもチャレンジ!

障害福祉サービス事業所
JOY倶楽部

障害福祉サービス事業所JOY倶楽部は、1993年、知的障害者の作業所として福岡に誕生しました。2002年4月、社会福祉法人の認可を受け、知的障害者通所授産施設として活動を広げ、2012年からは障害福祉サービス事業として運営をしています。音楽活動をする「ミュージックアンサンブル」、アート制作をする「アトリエブラヴォ」の2つのグループが、音楽やアートを素材に人との出会いを重ねています。これからも心をつかむ音色やアート作品を多くの皆様にお届けしたいと思います。

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